前章の調査において、カメラタイプ1から9の中で、1,2,3,4,9までの基本的な調査ができた。
残りは、5,6,7,8である。しかしこの5.6.7.8は理解しにくかった。実質使われている箇所もわかりにくいため、どのようなカメラワークになるのかが判断しにくかったのである。
そこで、まずは、わかる範囲でカメラタイプの分類をしてみることにした。
カメラタイプは、1から9まであるが、それが現状どのように使われているかを調べてみようと考え、どのシナリオのどの場所で使用されているかを調べ、そこからわかることもあるのではないかと考えたわけです。
しかし、FILE1とFILE2のRDTファイルは膨大です。全てを調べて分類するのは至難です。
そこで代表的にFILE2の「初心、咆哮、異界」の3つのシナリオだけに絞りました。(とても全部は調べる気にはなりません)
下記は、未使用INDEXも含めて各シナリオの各INDEXに指定されているカメラタイプの値を分類したものです。
代表
シナリオ
|
カメラタイプ |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
初心 |
18 |
22 |
6 |
0 |
0 |
5 |
0 |
11 |
0 |
咆哮 |
95 |
22 |
10 |
2 |
1 |
3 |
1 |
45 |
0 |
異界 |
59 |
75 |
5 |
4 |
1 |
9 |
2 |
59 |
0 |
合計 |
174 |
152 |
33 |
6 |
2 |
17 |
3 |
115 |
0 |
35% |
30% |
7% |
1% |
1% |
3% |
1% |
23% |
0% |
この結果を見ると、一番多く使用されているのは「カメラタイプ1」でカメラが動かない固定のモードです。
次がカメラタイプ2,8,3となります。
つまり、現状1,2,8,3が多く使用されており、残りの4,5,6,7,9は滅多に使われていないことが判明しました。
なお、滅多に使用されていない4と9は、プレイヤー中心のモードであるため、使用すると自キャラが常に画面の中央に配置されます。
この4と9はとても便利で、カメラから見切れてしまう問題を簡単に防ぐことができるため、重宝できるのですが、あまり使用しすぎると、「常に画面の中央に自キャラがいるような気がする」と感じてしまうため、使用頻度は少な目にするほうが良いと思われる。
カメラタイプ2と8は、カメラがよく動くモードである。カメラタイプ1はカメラは動かない。その割合を考えた場合、意外にカメラタイプ1も多いということに気づいた。
もし、カメラタイプ1をあまり使用せずにカメラタイプ2や8を増やした場合、常にカメラが動く感じがしてしまい、帰って動きが常にワチャワチャとする感じがしてしまうと思われる。
またそのせいで3D酔いもしやすくなると思われる。
従って、カメラが動かないカメラタイプ1も効果的に使用して、画面の構成にメリハリをつけると良いと思われる。
カメラタイプ5 カメラ焦点1固定モード |
|
カメラタイプ5は、カメラ位置1とカメラ位置2の間でカメラが移動するが、カメラの焦点は、カメラ焦点1を固定としている。
つまり、カメラ焦点2は無効である。
カメラタイプ5の場合 |
カメラ
位置1 |
カメラ
位置2
|
焦点
位置1
|
焦点
位置2
|
X |
Y |
Z |
X |
Y |
Z |
X |
Y |
Z |
X |
Y |
Z |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
× |
× |
× |
|
はじめは、理解しにくかったが、カメラタイプ2の動きと見比べることにより理解できた。
まずは、最もオーソドックスで一番多く使用されているカメラタイプ2を注目すると座標データは下記が有効である。
カメラタイプ2の場合 |
カメラ
位置1 |
カメラ
位置2
|
焦点
位置1
|
焦点
位置2
|
X |
Y |
Z |
X |
Y |
Z |
X |
Y |
Z |
X |
Y |
Z |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
|
カメラタイプ2の例 |
下記は、デフォルトの設定であり、カメラタイプ2である。
プレイヤーが移動すると、カメラ位置1(C1)からカメラ2位置(C2)の間で移動し、かつカメラ焦点1(T1)からカメラ焦点2(T2)へ移動する。 |
 |
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カメラタイプ5の例 |
下記は、上記のカメラタイプ2をカメラタイプ5に変更した場合である。
カメラタイプ5は、焦点位置2の座標は無効となる。 |
 |
カメラがプレイヤーに合わせて、カメラ位置1からカメラ位置2の間を移動するが、カメラの焦点は、移動せずカメラ焦点1を常に画面に映している。
焦点1から焦点2ヘ動かないので「見切れ」が発生した。 |
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このカメラタイプ5は、実質ほとんど使用されていないようである。
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カメラタイプ6 X,Yリバースモード(と言えばいいのか) |
|
カメラタイプ6は、カメラタイプ2と似ているが、カメラの動きが異なる。
カメラタイプ2を基準に考えると、カメラタイプ6は、カメラタイプ2とはX,Yの逆の動きになるようである。
カメラ
位置1 |
カメラ
位置2
|
焦点
位置1
|
焦点
位置2
|
X |
Y |
Z |
X |
Y |
Z |
X |
Y |
Z |
X |
Y |
Z |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
|
これが混乱の元となった。カメラタイプ2とカメラタイプ6は、座標データが同じ値でもカメラの動きが異なる。
カメラタイプ2の場合 |
カメラタイプ6の場合 |
下記は、デフォルトの設定であり、カメラタイプ2であ
る。
プレイヤーが移動すると、カメラ位置1からカメラ2位置
の間で移動し、かつカメラ焦点1からカメラ焦点2へ移動
する。
|
下記は、左の座標は同じであるが、カメラタイプ2を6に
変更した結果である。
|
 |
 |
カメラタイプ2の場合 |
カメラタイプ6の場合 |
下記は、デフォルトの設定であり、カメラタイプ2であ
る。
シンディが画面手前(Y-方向)および画面奥(Y+方向)に移
動しても、カメラの移動および焦点の移動はしない。 |
上記だとわかりにくいので、プレイヤーがY方向に動くよ
うにした場合、結果が理解しやすい。
シンディが画面手前(Y-方向)に移動すると、カメラ位置1
からカメラ位置2へ移動しつつ、カメラ焦点1から焦点2ヘ
移動する。
逆にシンディが画面奥(Y+方向)に移動すると、カメラ位
置2からカメラ位置1ヘ移動しつつ、カメラ焦点2から焦点
1に移動する。 |
 |
 |
カメラタイプ2の場合 |
カメラタイプ6の場合 |
下記は、デフォルトの設定であり、カメラタイプ2であ
る。
シンディが画面左方向(X+方向)に移動すると、カメラも
左方向(X+方向)に移動しつつ、焦点も左方向(X+方向)に
移動する。
逆の画面右方向(X-方向)に移動すると、カメラも右方向
(X-方向)に移動しつつ、焦点も右方向(X-方向)に移動し
ていることがわかる。 |
下記は、左記をカメラタイプ6に変更した場合である。
シンディが画面左方向(X+方向)に移動すると、カメラも
左方向(X+方向)に移動するが焦点は動かない。
逆の画面右方向(X-方向)に移動しても、カメラも右方向
(X-方向)に移動するが、焦点は移動していないことがわ
かる。 |
 |
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カメラタイプ6は、カメラタイプ2の反転型みたいな感じで、実質あまり使用されていない感じがする。
どこかでうまく使いたいが、操作感が変わるため、やや難しい調整が必要かと思われる。
カメラタイプ2を使用しているところを逆アングルにしたい場合などに使用すると良いのかもしれない。
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カメラタイプ7 (よくわからない) |
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このモードがよくわからない。
実質使用されている箇所を調べてみたが未使用INDEXであり、使用設定されている箇所が少なすぎるため使用用途がよくわからない。
カメラ位置がかなり補正されてしまうように見える。しかし、使用頻度があまりにも少ないためによくわからないのが実情である。
従って、無理して使用するほどのものではないと判断した。
このモードは使用しないほうが良いと思われる。
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カメラタイプ8 (接続移動モードといえば良いのか) |
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カメラタイプ8は、カメラタイプ2と良く似ているが、隣接するINDEXにまたいでカメラが移動した時に違和感なくカメラ移動がスムースに切り替わるモードのようである。
つまり、プレイヤーが曲がりくねった角を移動した際、カメラも一緒にスムースに移動することを目的としているモードのようである。
カメラ
位置1 |
カメラ
位置2
|
焦点
位置1
|
焦点
位置2
|
X |
Y |
Z |
X |
Y |
Z |
X |
Y |
Z |
X |
Y |
Z |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
|
例えば異界の通路は狭く曲がり角が多い。カメラタイプ8は、下記のようなところで使用されている。
カメラタイプ8の場合
角を曲がった時にスムースにカメラ移動がされている。
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左記をカメラタイプ2に変えると…
カメラが壁に埋もれてしまう。
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カメラタイプ8の実例その2
INDEXをまたいで移動してもスムースに
画面が動いている。
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左記をカメラタイプ2に変えると…
バッと見た目ははあまり変化は感じないが、
インデックスをまたいだ時に「カクッ」と動き
スムースに切り替わっていない感じとなる。
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カメラタイプ8は、インデックスをまたいで隣のインデックスと接続し、スムースにX方向からY方向などへのカメラ移動の変化をコントロールすることができるが、その分設定が複雑なようである。
また、どの場所でもカメラタイプ8を使えるわけではないようである。(恐らく不明なデータの中に付加情報がある)
このため、簡単には追加・変更はしにくいが、うまく使えば新たなカメラワークを生み出すことができそうである。
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ここまででカメラタイプの調査は完了した。
あとは実践である。
今まで学習して蓄積したノウハウをどのように活用するかが課題であり、
いよいよ次が本番となる。
果たして新しいバイオハザードアウトブレイクを
生み出すことができるのか?
遂に完結か?
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