第0章 カメラワークを変更してみたい



まずお礼を言いたい。
この無謀なチャレンジに適切なアドバイスをしてくれたStuntmanSnake氏とテスト用のツールを作成したDChamps氏に感謝の言葉を贈ります。
DChaps氏は、残念ながら現在OBSRVを去ってしまったようで、コンタクトを取ることができませんが、本当にありがとう。


カメラワークの変更とは、アウトブレイクの様々のシナリオの様々なマップ上で表示される画面のアングルやカメラの移動を変えることです。

これは、自分にとって最大のチャレンジであり、全くもって理解不能なもので、実現には大変な困難なことでした。

しかし、やっとなんとかそんなことができるところまで辿り着きました。
この動画をご覧ください。
これはFILE2の初心のはじめのエリアでカメラワークを変更してみたものです。
オリジナルの動きよりもダイナミックにかつ迫力を感じる動きになっていると思います。



このサイトをご覧になった方は、このサイトの作者はゲームを改造したりすることを趣味としている人間だと思われているでしょうが、実はまったくの素人です。
多少はプログラム知識はあるものの、ゲーム開発などをしたことがあるわけでもなく、CGやグラフィックの知識など全然持っていません。

なんでこんなことをし始めてしまったのか、今考えてみても本当に不思議なのですが、なぜか知的好奇心が沸いてしまい「こんなことができたらいいのになぁ」なんて感じで本来のプレイをそっちのけでそんな研究を始めてしまったわけです。

その好奇心を止めることができず、気づいたらこの最大の難関にぶち当たり、ついになんとか乗り越えたようです。

なぜカメラアングルやその動きを変えたいのか

それは、今のカメラアングルに不満があるからです。
一言で言うと「迫力に欠ける」と思っているからです。
だから迫力のある構図に変えてみたかったわけです。

アウトブレイクのシリーズは、オンラインプレイを前提として開発されているもので、その画面の構図は、初代BIOHAZARDと2と3とコードベロニカの踏襲してあります。
初代と2と3は、様々なカメラアングルでプレイヤーを映し、アングルには凝っているものの、カメラは動きません。
つまり、通路の角を曲がった時などでカメラアングルが変わった時、いきなり目の前にゾンビが現れたりして恐怖感を煽ります。

なお、コードベロニカからカメラが主人公を追うような形でカメラがダイナミックに動くようになりました。

歴代のバイオとは異なる恐怖感を醸し出すことに成功したと言えるでしょう。


アウトブレイクは、コードベロニカに近いですが、オンラインプレイを前提としているため、最大4人のプレイヤーが同時に画面に収まることが多くなるように全体的に上から下を見下ろす感じで「引きの画面」が多用されています。

このため、迫り来るゾンビや巨大な敵と戦う時にやや単調で迫力に欠けるという感じがしてしまいます。
多くのプレイヤーは、その構図に慣れていくわけで、初めてプレイをした時に感じた恐怖感はプレイを重ねることによって薄れてしまうわけです。
これが残念でならなかった。

新鮮で斬新な感じがするアウトブレイクのカスタマイズができないものなのか。

そこに不満を感じ、カメラアングルや動きを劇的に変えることはできないか、まったく新しい感じがするアウトブレイクにできないかを考え求め続けたわけです。

しかし、それを実現するためには一体ぜんたい何をどうしたら良いのかもさっぱりわからなかった分けです。

つまり実現するのは夢のまた夢であったようなものです。

そして何か月もかけて自分なりに研究し、実験に実験を重ねてStuntmanSnake氏から情報を得ることによって実現の目途が立ちました。
それによって立ちはだかる大きな壁をなんとか突き崩したと思う・・・。

これは苦難の道を歩んでしまいまだ歩みきれていない作者の物語でもある。


基礎知識編

普通にプレイをしているとあまり意識することはないと思いますが、よく見ると次のモードがあります。

カメラ固定モード(fix camera)
カメラ移動モード(rail camera)

カメラ固定モードは、プレイヤーが移動してもカメラは移動しないモードである。
扉の前や行き止まりなどでよく使われている。

カメラ移動モードは、プレイヤーの動きにあわせて、カメラが左右や上下にパン(左右や上下にカメラ向きを変えたり、見えない台車に乗って見えないレールの上を移動しながら対象物を追うモードである。
細かい専門用語については、私はあまりわからないが、そのような動作をしている。

プレイヤーが決められた範囲内を移動するとその移動にあわせて見えないレールの上を滑らかにドリー移動(対象物と一緒に移動)したり、クレーンに乗って上下にクレーンアップ/ダウンをする。

このような動きが多用されてるようである。

変化を感じないところもよく見ると微妙に何気に移動したりしていることがある。
これはプレイしているとあまり気づかないのである。

カメラの「INDEX No.」これは便宜上そう呼ぶことにしているが、小さく狭いMAP(何かの部屋など)ところでも3箇所くらい、広いMAP(決意のホールや死守のホール)には、20位のカメラINDEXがある。
このINDEXには、様々なカメラの向き、見える範囲、移動方向、移動範囲などの情報が含まれる。

これらの設定は、開発者は独自のツールで実際にプレイヤーを動かして画面を確認しながら設定していました。

その証拠にかつて存在したCAPCOMのアウトブレイクのオフィシャルサイトにこのような動画が公開されていました。



この動画は、StuntmanSnake氏がオフィシャルサイトで公開されていた動画を保存してご自身のチャンネルにアップしたものです。
この動画以外にも昔のトレーラやモーションキャプチャーなどがありますので是非チェックを!!


この動画は、ほんの30秒で終わってしまうものすごい短い動画です。
音声もなく説明もないので一体なにをしているのかは理解しにくいですが、前半ではプレイヤーが移動した時に一緒にカメラが動くように設定を変更しています。
後半は画面の明るさ(光源とその強さ)を調整しています。
つまり開発者は、このような便利な独自ツールを使用して全てのシナリオのすべてのマップの全てのインデックスにデータの設定をしていたわけです。

この動画がオフィシャルサイトに公開された時、観た覚えがあるのですが、当時は「ふーん」て程度のものでした。
あれから14年も経過した後、まさか自分がこんなことをしてみようと思うことなど夢にも見ていなかったでしょう。


問題は、こんな便利そうなツールは当然持っていないことである。
こんな高度なツールなど作れるわけもなく当然仕様もわからないのである。
そもそもこのツールによって出力されるファイルがなんなのか、その中身はどうなっているのかフォーマットもわかるはずがないのである。


これらを自分自身で行うとしたらば・・・全て手作業で闇雲に行う必要があるわけです。
しかも、一体どのファイルを変更すれば良いのか、そしてそのファイルの中のどの部分を変更すればどうなるのかを確認しながらです。
この途方にも暮れるようなことをしないと実現なんかできないのです。

どうしよう??


てことで次の章に続きます。