第5章 重要人物を探せ


もう一人のキーパーソンと接触したい!


StuntmanSnake氏のアドバイスにより、カメラアングルの設定がされているファイルは、RDTファイルであることがわかった。
そこで全てのシナリオの全てのRDTファイルを抽出し、どこのエリアでどのRDTファイルが使用されるかは、なんとか自分の力で調べることができた。

しかし、ここから先が完全に未知の世界であり、どうにもこうにも次のステップに進めない状態となってしまった。

前章でもStuntmanSnake氏について触れてきましたが、彼はULTIMATE MOD PACKの作者で、かつOBSRVの重要人物の一人です。

日本人は彼のことをほとんど知らないと思いますが、実は間接的にお世話になっています。
そして、我々は、彼に感謝をしないといけないのです。

日本以外のプレイヤーのほとんどは、なんらかの方法で日本版のDISCと日本のPS2本体かまたは日本のPS2のBIOSファイルを入手して、アウトブレイクをプレイしています。

つまり、OBSRVは、日本語版のDISCとPS2でないと遊べないのです。

ULTIMATE MOD PACKの作者のStuntmanSnake氏は、日本語を英語に翻訳してパッチを当てることにより日本語版を英語版に変更するデータを英語圏のプレイヤーに配布しています。
これがないと、日本語を理解できないプレイヤーはオンラインプレイで遊べなくなるからです。
もし、これが存在しなかったら、日本以外の外国の方々は集まらず、数えるほどの外国の方々と日本人しか集まらないでしょう。
そんな少人数しか人が来ないOBSRVを維持続ける理由なんてないでしょう。
きっと閉鎖されてしまいますし、そもそも運用もされなかったかもしれません。

このようなパッチが配布されていることにより、様々な外国の方々が集まり盛況となっているため、OBSRVは運用され続けています。

我々プレイヤーは無償のサービス精神でサーバーを運営している方々と無償のサービスで長い時間と労力をかけてこのようなパッチを配布しているStuntmanSnake氏に感謝をしないといけません。

つまり、日本語DISCと日本のPS2を持っている我々日本人も、無関係ではなく彼に感謝しないといけないのです。
このことを理解している日本人は残念ながらほぼいないでしょう。
もしかして皆無かもしれません。

同時にStuntmanSnake氏は、様々な実験というか、ハッキングといえばいいのかわからないですが、本来表示されない未使用の敵や未使用のエリア、高精度な美しいテクスチャーをフォーラムやYoutubeで公開し、私たちを楽しませてくれる方です。

英語に不自由な私は、彼と交流を持つことが難しかったのですが、私が困ってしどろもどろの英語で時々質問をしたりすると、その都度適切なアドバイスを返してくれました。
本当に感謝しています。

少なからずStuntmanSnake氏と私は交流があります。
しかし、この「カメラワークの変更」についてもう一人重要な人物がいるのです。

なんとその人物は、カメラワークを変更した動画をYoutube上にアップし、どうやら自作のツールを使用してカメラアングルを変えた画像をフォーラム上にアップしていたのである。

しかもそれは2013年の話です。こんな見たこともないアングルで死守の警察署玄関前を公開していました。




またそれだけではなく、フォーラムにあるスレッドにもいくつかありえないアングルの画像がありました。
例えば下記のものです。





Youtubeの動画は削除されて今はありませんが、当時私が見たものは、異界のカメラアングルを変更したプレイ動画の一部とそれ以外に死守の屋上で燃え盛る炎のエフェクトが変更されたものが強い印象を受けました。

知りたい。
どうやったらこんなことができるのか。
そのツールをもらうことができるのか?
方法を聞けば教えてくれるのだろうか?

なんとかしてその人と接触をして、情報をもらいたい。
教えを乞いたいと思っていたのです。

私は毎日のように平日の昼間や深夜、早朝などにもマメにログインし、その人物が現れるのを待ち続けました。
恐らく2ヶ月ほど毎日毎日探しました。

しかし、その人物は現れなかった。
どうやらその人物はOBSRVを去ってしまったようだ。
以前に観たその人物が作成したYoutubeの動画も見つけることができない。
もしかして削除してしまったのか…。

私は、ついにその人物との接触を諦めかけ、StuntmanSnake氏に再び相談した。
こんな内容でした。

「〇〇さんはもう来ないのですか?彼が作った動画も削除されていて見れないのですが…」
「わからない。私も見かけていません」
「彼が書いたこのフォーラムの内容を見るとどうやらツールを作ったようなのですが…」
「それは私も彼からもらった。フォーラムからはダウンロードできない。あなたが欲しいのならば、あなたに送る」
「おお!! 是非お願いします!ありがとう!」

なんと、StuntmanSnakeさんはその人物からツールをもらっていたようだ。

「そ、それならもっと早く教えてよ〜」とも言いたくもなったが(苦笑)

そしてStuntmanSnake氏からツールをもらい使い方を教えてもらった。
それはこんなことができるものであった。



このツールでできることは、PCSX2を起動してプレイをし、好きな画面のところでX,Y,Hの値を変更してカメラアングルを変えることです。

つまり、一種のチートツールであり、カメラアングルの情報データのRAM値を任意の値に書き換えることによって画面を変えることができるツールでした。


長所としてはゲームプレイ中に値を変更することによってカメラアングルを変更できることである。
しかし、悲しいことに短所が多い。

・変更できる3種類の値では情報が少ない。
・カメラの焦点(ほとんどはプレイヤー中心)を変更できない。
・焦点からの距離を変更できない。
・焦点を中心にX方向,Y方向,H方向を変えられるがそれ以外の値は変更できない。
・自分の好きなアングルやバストアップなどズームみたいなことがうまくできない。
・パン、ドーリー、パンアップ、パンダウンなどプレイヤーの移動によってカメラが移動することはできない。
・カメラ固定となるため、プレイヤーが画面外に移動してもカメラが追従しない。
・RAM値を直接変更するため、その大元となる設定(RDTファイル)を変更するものではない。

つまり、残念ながらこのツールは私が望んでいるものではなかったのです。

しかし、このツールからヒントが掴むことができるのではないかと考えた。

このツールが、どのアドレスのRAMを書き換えてるいるのかが理解できれば、そこからその元となるROM(RDTファイルの中に含まれるカメラ関係のデータテーブル)のアドレスを求めることができるのではないかと…

そしてそのRDTファイルのカメラ関係のデータのオフセットアドレスがわかれば、他の値とかも理解できるかもしれないと…

やっと、ほんの少しだ手がかりを見つけたような気がした。



てことで次章に続く